儚く美しい彼に、幸せの花雨を。

世界に白い点々を作っていた雪は、私たちの肌に触れると水へと溶けていった。愁の、水のような冷たい過去が涙に変わっていっているように…。
「私が…『大丈夫だよ』とか、『辛かったよね』って言えないのはわかってる…でも、やっぱり愁には、悲しい気持ちのまま過ごして欲しくないっ…もっと、幸せな毎日を送ってほしいっ…」
「夏海…」
「それに、そのお父さんも、愁には幸せになってほしくて、生きてほしくて助けたんだと思う、だから、愁がそんな気持ちだと、余計悲しんじゃうよ…確かに自分のせいでって思っちゃうかもしれないけど、でも、過去に囚われないで、愁の思うままに生きていいと思う、もっと、自由に生きていいと思うよ」
1番過去に囚われていて、後悔した私だからこそ、愁にはそんな思いをして欲しくない…、どうか、私みたいに後悔しないような日々を送って欲しい。
「それに、人って幸せになるために産まれてくるんだと思う、死んじゃったらもう、幸せって感じることも出来ないから…だからっ!愁は、幸せになる権利があるんだよ…?」