軽い口喧嘩をしながら、炎天下のコンクリートを二人並んで歩く。一般的に食べ歩きはよくないのはわかっていても、コンビニの前で生温い風に当たりながら食べるよりかはいくらかマシだった。
凛花がバニラアイスを半分まで食べ終えたところで、思い出したように言う。
「そうだ。この間、商店街のくじ引きで、隣町の遊園地ペアチケットが当たったんだけど」
「へー」
「六枚あるんだよね」
「……なに、くじ引きの景品を掻っ攫ったの?」
「ちがうよ! 元々ペアチケットが五組分あって、くじ引きをさっちゃんが二回、私と千佳が一回引いて、さっちゃんと千佳が当たったの!」
「ってことはお前は外れたのか」
「うっ……それはそれ! ちゃんとティッシュ貰ったからいいの」
その遊園地ペアチケットが何等の景品だったのか気になる。五組分も用意していたということは、大当たりは高級旅館のペアチケットだったかもしれない。話を聞いた限りでは、凛花の友達が持っていた運の良さで三組分、計六枚を獲得したことになる。
「でね、今のところ佐山くんと森田くんに声かけてて、あと一人の枠に小太郎どうかなって思って」
「なんで佐山と森田?」
「千佳が森田くんのことが好きなんだよ。だからこの機会を使って、話す機会を増やそうって作戦!」
「……女子って怖いな」
好きな人との距離を縮めるために使えるものは使う。それが例え不本意に手に入れた遊園地のチケットでも、お互いの友達がいれば誘いやすいだろう。
凛花がバニラアイスを半分まで食べ終えたところで、思い出したように言う。
「そうだ。この間、商店街のくじ引きで、隣町の遊園地ペアチケットが当たったんだけど」
「へー」
「六枚あるんだよね」
「……なに、くじ引きの景品を掻っ攫ったの?」
「ちがうよ! 元々ペアチケットが五組分あって、くじ引きをさっちゃんが二回、私と千佳が一回引いて、さっちゃんと千佳が当たったの!」
「ってことはお前は外れたのか」
「うっ……それはそれ! ちゃんとティッシュ貰ったからいいの」
その遊園地ペアチケットが何等の景品だったのか気になる。五組分も用意していたということは、大当たりは高級旅館のペアチケットだったかもしれない。話を聞いた限りでは、凛花の友達が持っていた運の良さで三組分、計六枚を獲得したことになる。
「でね、今のところ佐山くんと森田くんに声かけてて、あと一人の枠に小太郎どうかなって思って」
「なんで佐山と森田?」
「千佳が森田くんのことが好きなんだよ。だからこの機会を使って、話す機会を増やそうって作戦!」
「……女子って怖いな」
好きな人との距離を縮めるために使えるものは使う。それが例え不本意に手に入れた遊園地のチケットでも、お互いの友達がいれば誘いやすいだろう。