電車で約一時間、更にバスで三十分揺られて着いた遊園地は、平日とはいえ夏休みに入った家族連れで賑わっていた。天気は夏場にしては曇り空が広がっており、比較的過ごしやすい陽気だ。
遊園地なんて何年ぶりだろうか。内心そわそわしていて落ち着かない。幼い頃に一度だけ家族で訪れた覚えがあるが、はっきりとは覚えていない。
受付を済ませて園内に入ると、遊園地のマスコットキャラクターの銅像が出迎え、子供たちとの撮影会は行われていた。それに紛れて凛花と青山が並んでいる。
「遊園地なんて久しぶり!」
「凛花は来たことあるんだよね?」
「うん! 小学生くらいの時に何度かあるよ。もしかして溝口くんも一緒だった?」
「一緒なわけないだろ」
凛花に話しかけられて答えるも、隣にいるに青山に睨まれ、すぐ視線を逸らした。
未だに青山との溝は埋まらない。今日の参加を了承したのも凛花の説得があったからで、ただでさえ学校の時よりも話しかけることが多いから、なぜか凛花の隣にべったりとくっついて嫉妬を露わにしている。凛花が気付いていないだけまだマシか。
なるべく離れて行動しようとするも、元気の塊である佐山についていくのがやっとだった。
「溝口、まだアトラクションに乗ってもいないのに疲れてるけど大丈夫か?」
「な、なんとか……」
「ある意味、佐山がアトラクションみたいなモンだったりするからな」
「聞こえてんぞ森田ぁ! とりあえず手始めにジェットコースター行こうぜ! 人気だから早く行かないと時間かかっちまう!」
佐山の一言でジェットコースターに並ぶ。一方で順番が近付いてくる。山道で乗り物酔いをする自分がジェットコースターに耐えられる自信がない。すると牧野がおそるおそる尋ねてきた。
「溝口くん、もしかしてジェットコースター苦手?」
「……そう見える?」
「見えるよ。実は私も苦手なの。一回だけならなんとか大丈夫だと思うんだけど……」
「それでも乗るの?」
「う、うん」
遊園地なんて何年ぶりだろうか。内心そわそわしていて落ち着かない。幼い頃に一度だけ家族で訪れた覚えがあるが、はっきりとは覚えていない。
受付を済ませて園内に入ると、遊園地のマスコットキャラクターの銅像が出迎え、子供たちとの撮影会は行われていた。それに紛れて凛花と青山が並んでいる。
「遊園地なんて久しぶり!」
「凛花は来たことあるんだよね?」
「うん! 小学生くらいの時に何度かあるよ。もしかして溝口くんも一緒だった?」
「一緒なわけないだろ」
凛花に話しかけられて答えるも、隣にいるに青山に睨まれ、すぐ視線を逸らした。
未だに青山との溝は埋まらない。今日の参加を了承したのも凛花の説得があったからで、ただでさえ学校の時よりも話しかけることが多いから、なぜか凛花の隣にべったりとくっついて嫉妬を露わにしている。凛花が気付いていないだけまだマシか。
なるべく離れて行動しようとするも、元気の塊である佐山についていくのがやっとだった。
「溝口、まだアトラクションに乗ってもいないのに疲れてるけど大丈夫か?」
「な、なんとか……」
「ある意味、佐山がアトラクションみたいなモンだったりするからな」
「聞こえてんぞ森田ぁ! とりあえず手始めにジェットコースター行こうぜ! 人気だから早く行かないと時間かかっちまう!」
佐山の一言でジェットコースターに並ぶ。一方で順番が近付いてくる。山道で乗り物酔いをする自分がジェットコースターに耐えられる自信がない。すると牧野がおそるおそる尋ねてきた。
「溝口くん、もしかしてジェットコースター苦手?」
「……そう見える?」
「見えるよ。実は私も苦手なの。一回だけならなんとか大丈夫だと思うんだけど……」
「それでも乗るの?」
「う、うん」