コンビニに入ると、凛花はすぐにアイスを選び始めた。
あれでもない、これでもない。いつもこれを選ぶがこちらも捨てがたい。
あーだこーだと唸って悩む凛花の優柔不断さは、何年経っても健在だった。
その隣でミックスフルーツのアイスバーを取り出した。新製品と書かれていると気になってしまうのはなぜだろう。
それが美味しいとは限らないと、頭ではわかっているのにな。
「え、小太郎もう決まったの?」
「お前が遅いんだよ。たかがアイスに何分かかってんのさ」
「だって、新しいのが出てたら気になるけど、やっぱり安定のバニラも悩みどころでしょう?」
凛花はそう言いながら、ミックスフルーツバーの隣に入っているバニラアイスバーを指さした。
幼い頃から凛花がよく食べていたバニラアイスのメーカーは、最初はバニラとラムネ味しか発売していなかった。現在はさまざまな種類のアイスが出ているものの、一時期は経営が危うかったと、テレビ番組の特集で紹介されていたほどだった。新しいものを生み出す仕事は難しいと、幼いながらも小太郎は率直に感心したのを思い出す。
「小太郎はそれでいいの?」
「は? なんで?」
「だって好きでしょ? バニラ」
「……今日は、冒険したい気分だから」
「なにそれ!」
「ほら、さっさと決めなよ。バニラ? それとも久々のラムネ味?」
「その二択なの? うー……じゃあこれ!」
迷いに迷った結果、いつものバニラアイスバーを取り出す。
「やっぱりそっちか」
「え? あ、ちょっと!」
凛花からアイスバーを黙って回収すると、自分のアイスと一緒に会計を済ます。後ろで凛花が慌てているが気にしない。
コンビニを出てアイスを差し出すと、凛花はぽかんとした表情で受け取った。
あれでもない、これでもない。いつもこれを選ぶがこちらも捨てがたい。
あーだこーだと唸って悩む凛花の優柔不断さは、何年経っても健在だった。
その隣でミックスフルーツのアイスバーを取り出した。新製品と書かれていると気になってしまうのはなぜだろう。
それが美味しいとは限らないと、頭ではわかっているのにな。
「え、小太郎もう決まったの?」
「お前が遅いんだよ。たかがアイスに何分かかってんのさ」
「だって、新しいのが出てたら気になるけど、やっぱり安定のバニラも悩みどころでしょう?」
凛花はそう言いながら、ミックスフルーツバーの隣に入っているバニラアイスバーを指さした。
幼い頃から凛花がよく食べていたバニラアイスのメーカーは、最初はバニラとラムネ味しか発売していなかった。現在はさまざまな種類のアイスが出ているものの、一時期は経営が危うかったと、テレビ番組の特集で紹介されていたほどだった。新しいものを生み出す仕事は難しいと、幼いながらも小太郎は率直に感心したのを思い出す。
「小太郎はそれでいいの?」
「は? なんで?」
「だって好きでしょ? バニラ」
「……今日は、冒険したい気分だから」
「なにそれ!」
「ほら、さっさと決めなよ。バニラ? それとも久々のラムネ味?」
「その二択なの? うー……じゃあこれ!」
迷いに迷った結果、いつものバニラアイスバーを取り出す。
「やっぱりそっちか」
「え? あ、ちょっと!」
凛花からアイスバーを黙って回収すると、自分のアイスと一緒に会計を済ます。後ろで凛花が慌てているが気にしない。
コンビニを出てアイスを差し出すと、凛花はぽかんとした表情で受け取った。