……もしかして、いつかの仲介人が言っていた、『凛花の秘密』とやらに繋がるものだろうか。

 これが直感ではなく予知だったら、きっと俺の手には追えない。大体、そんなオカルトなものが存在するとは考えたこともない。仲介人だって人間じゃないって言ってたけど、俺からしたらひねくれた中学生にしか見えなかった。

「凛花、何の話?」

 小テストの話で盛り上がっていると、青山と(まき)()千佳がやってきた。高校に入学してからずっと凛花と一緒にいる、仲の良い二人だ。ふと、凛花に向ける青山の満面の笑みから、なぜか邪魔だと言われているような気がして、思わず視線を逸らした。

「さっきの授業の話だよ。二人ともどうしたの?」
「どうしたって、忘れた? これ!」

 青山は持っていた遊園地のチケットを取り出す。事故に遭う少し前に、三人で商店街のくじ引きで六名分も引き当てた景品だ。夏休みに行くという話をしていたのがまだ記憶に新しい。

「佐山と森田くんが行けるって言ってたから、五人そろったって話したでしょ? 残り一人どうしようかって言ってたじゃん!」
「あ! ごめん、忘れてた!」
「もうっ! まったく、凛花ったら……」
「凛花ちゃん大変だったし、これに関してはしょうがないよ。前に誘いたい人がいるって言ってたけど、覚えてる?」
「えっと……ごめん、覚えてないや」
「そっか、じゃあどうしよっか?」

「――溝口でよくね?」