一通り話し終えると、質問してきた刑事がさらっと礼を言う。今度は彼女について聞いてくる。
「凛花さんとは同じクラスなのかい?」
「同じクラスで幼なじみです。高校に入る前までは、家も近いので一緒に帰ったりしていました。あの日はたまたま帰りが被ったんです。学校を出る前に、凛花は友人と一緒に帰る約束をしていたのを聞いたので」
「聞いたんですか? クラスでもよく話していたんですね?」
「教室の席も近いんです。大声で内容が駄々洩れで話してたら、誰だって二度見はするし嫌でも聞こえてくるでしょう。高校に入ってからは口数は減りました。あの日の帰りが、久しぶりのまともな会話です」
「そうですか。ちなみに彼女、学校ではどんな様子でしたか?」
「クラスの中心で、いつも明るく振る舞っていました」
「彼女を妬む人物に心当たりは?」
「ありません」
「それでは、君はどうだい?」
「……は?」
「君たちの関係は、本当にただの幼なじみかい?」
「……幼なじみです。彼女にとっては」
「というと?」
「俺にとって凛花は恩人です。だから刑事さん、俺は凛花を傷つけるようなことは絶対しません」
最初から二人が疑っているのは想定内だった。
なんせ事故当時、凛花に一番近い場所にいて、道路に突き飛ばす事ができたのは俺だけだ。目撃証言や彼女の両親の話を聞いたうえで目をつけていたのは、容疑者扱いされていてもおかしくはない。
「凛花さんとは同じクラスなのかい?」
「同じクラスで幼なじみです。高校に入る前までは、家も近いので一緒に帰ったりしていました。あの日はたまたま帰りが被ったんです。学校を出る前に、凛花は友人と一緒に帰る約束をしていたのを聞いたので」
「聞いたんですか? クラスでもよく話していたんですね?」
「教室の席も近いんです。大声で内容が駄々洩れで話してたら、誰だって二度見はするし嫌でも聞こえてくるでしょう。高校に入ってからは口数は減りました。あの日の帰りが、久しぶりのまともな会話です」
「そうですか。ちなみに彼女、学校ではどんな様子でしたか?」
「クラスの中心で、いつも明るく振る舞っていました」
「彼女を妬む人物に心当たりは?」
「ありません」
「それでは、君はどうだい?」
「……は?」
「君たちの関係は、本当にただの幼なじみかい?」
「……幼なじみです。彼女にとっては」
「というと?」
「俺にとって凛花は恩人です。だから刑事さん、俺は凛花を傷つけるようなことは絶対しません」
最初から二人が疑っているのは想定内だった。
なんせ事故当時、凛花に一番近い場所にいて、道路に突き飛ばす事ができたのは俺だけだ。目撃証言や彼女の両親の話を聞いたうえで目をつけていたのは、容疑者扱いされていてもおかしくはない。