凛花の両親を知っている側からすると、確かに取り合うのは難しいと思った。都合の悪いものはすべて否定する、その母親の姿をずっと見てきた彼女は諦めていたのかもしれない。何も受け付けない状態になってしまったら、おじさんでも手を付けられないのだ。
きっと、青山に打ち明けるのも辛かっただろう。それは凛花だけではない。突然親友に打ち明けられたのが誰かの不幸しか見ることのできない予知夢だなんて、すぐに受け入れられるはずがない。なんとか飲み込んで今まで支えてきたんだ。でも青山はそれを悔やんでいた。
「もっと話を聞いてあげればよかった。私はいつもあの子の背中を擦るだけで、何も出来なかった」
「でも傍にいてくれたことは、凛花にとって心強かったんじゃ……」
「凛花が私に溝口のことをよろしくって言ったのは、事故が起きる三日前だった! きっと自分が事故に遭う夢を見たんだよ。だから私にそう言ったんだと思う。……私があの子を止めていればよかった。あの日、バイトに行かないでそのまま一緒に帰っていれば、誰も傷つかなかったかもしれない!」
あの時自分が引き留めていれば。――青山はそう言って泣き崩れた。
俺が横断歩道で凛花を引き留められなかったことを後悔したように、青山も凛花の予知夢をわかっていながら止められなかったことを、ずっと後悔していた。俺に辛く当たったのも守るためのものだけではない。ただの八つ当たりにしかならないのだと、最初からわかっていたのだ。
でも、きっとそれも違う。
「……ちがう、ちがうよ、青山」
きっと、青山に打ち明けるのも辛かっただろう。それは凛花だけではない。突然親友に打ち明けられたのが誰かの不幸しか見ることのできない予知夢だなんて、すぐに受け入れられるはずがない。なんとか飲み込んで今まで支えてきたんだ。でも青山はそれを悔やんでいた。
「もっと話を聞いてあげればよかった。私はいつもあの子の背中を擦るだけで、何も出来なかった」
「でも傍にいてくれたことは、凛花にとって心強かったんじゃ……」
「凛花が私に溝口のことをよろしくって言ったのは、事故が起きる三日前だった! きっと自分が事故に遭う夢を見たんだよ。だから私にそう言ったんだと思う。……私があの子を止めていればよかった。あの日、バイトに行かないでそのまま一緒に帰っていれば、誰も傷つかなかったかもしれない!」
あの時自分が引き留めていれば。――青山はそう言って泣き崩れた。
俺が横断歩道で凛花を引き留められなかったことを後悔したように、青山も凛花の予知夢をわかっていながら止められなかったことを、ずっと後悔していた。俺に辛く当たったのも守るためのものだけではない。ただの八つ当たりにしかならないのだと、最初からわかっていたのだ。
でも、きっとそれも違う。
「……ちがう、ちがうよ、青山」