高校二年生の冬、私は春樹に告白すると決めた。


 クリスマスが近いことを思い付き、この季節を最大限に利用させてもらう。
 色鮮やかな町並みやイルミネーションの中で告白すると、周りの雰囲気に助けられて少し気が楽かな。

 私と春樹が顔を合わせた状態で、はっきりと自分の思いを伝えられたら。



 好きです、付き合ってください……



 なんて、頬を赤く染めながら幼なじみに向かって告白する自分の姿を想像するだけで、顔が真っ赤になってしまう。
 私は春樹を目前にして、本当に告白できるのか自信がない。

 恥ずかしくて言葉で伝えられないとしたら、直筆の手紙がいいのかなって考える。
 告白の言葉を綴った手紙と一緒に、毛糸のマフラーもプレゼントとして手渡そう。

「よし、決めた……」

 今日の日付は、ちょうどクリスマスの一ヶ月前。


 手編みで心を込めて作った毛糸のマフラーを、春樹に渡すと決心した。