妹の言葉を聞いて、私の両目から大粒の涙がこぼれ落ちる。


 紙袋からマフラーだけ取り出して、春樹に告白したんじゃなかったのね。
 妹は私と春樹の気持ちを切り崩せないと知って、身を引いたんだ。


 幼い時から兄のように親しくしてた彼から……


「うたがってごめんね、私は姉として最低だよ」

 抱き合ったまま、私は顔を俯かせ涙声で話す。

「そんなことない、この世にいなくても……大好きなお姉ちゃんに、変わりないよぅ……」

 幽霊の私の声が聞こえたのか、妹が優しく耳元で答えてきた。

「ありがとうね……」

 目から大粒の涙を流しながら、愛する妹へ感謝の気持ちを伝えると、異変が……


 ゆっくりと私の体が軽くなり、心も晴れやかになってくる。

 妹の胸を離れて浮遊し始めた私は、家の天井をすり抜けて夜空へ舞い上がった。


「わわっ、なにがおこったの?」



 ふわふわと夜空に舞い上がった私は、どこかに導かれていく……