甘えるように涙声で話すと、妹がベッドがら静かに立ち上がる。
そして、寝間着姿のまま幽霊の私に歩み寄り抱きついてきた。
「夢でもいいから、お姉ちゃんに会えてよかった……」
憎しみや怨みをいつの間にか忘れ、私も思わず妹を抱きしめてしまう。
色々な思いがあふれ、私の両目から流れ落ちる涙が止まらないよ……
「制服姿のまま、お姉ちゃんは事故から時間が止まってるんだね……」
高校の制服姿の私が、ハッキリと見えている。
思わず嬉しくて、腰に回していた手で妹の背中をさすってしまった。
「幼いころ、よく背中をさすってもらったの覚えてるよぅ……すごく落ち着く……」
泣いてる妹を落ち着かせるため、姉の私が優しく背中をさすってあげたのを覚えてたんだ。
子供の頃だけど、あの時の出来事が走馬燈のように思い浮かんで胸が熱くなってしまう。
妹の体の温もりが感じられて、とても暖かい。
憎しみや憎悪が浄化されて、私の体が軽くなってくる。
その時、妹が私の耳元で静かに囁いた。
「紙袋は春樹くんに渡したから、安心してね……」