私は相変わらず、死亡事故現場の交差点から離れられない。
透明人間のようになった私のことを、気に掛けてくれる人なんていないよね。
体が無い幽霊になっても、寂しくて孤独を感じるのは一緒だよ。
何とか現状を変えたいけど、自分の力ではどうにもできない。
「こまったわね……」
途方に暮れていた朝の出来事、制服姿の春樹が姿を現した。
「わっ、春樹だ! こんなに朝早く、どうしたんだろう?」
そうだ、冬休みが終わって今日から三学期が始まるんだ。
家からバス停までの道のりだけど、ちょっと遠回りして事故現場に来てくれたんだね。
「この後、春樹は学校で始業式か……」
などと心の中で呟きながら、彼の立ち姿を見つめてると……