必死の応急処置にも係わらず、女子高生は息を途絶えてしまったようだ。


 ガッカリと肩を落とす救急隊員、どこからか聞こえてくる鳴き声。
 悲しみで誰もが口を閉じる、悲惨な交通事故現場に遭遇してしまった。

 ストレッチャーに横たわり、救急車に乗せられようとしてる女子高生を私は目にする。



 ―― その顔を見ると、紛れもない私自身だった。



「えっ、うそでしょ……」


 私の周りにいる救急隊員の話し声が聞こえてくる。

 ブレーキとアクセルを踏み間違えた車が、交差点に突っ込んできたらしい。
 青信号で歩いて横断していた女子高生が、早い速度のまま跳ね飛ばされた。



 即死だったみたい……