@誰と結婚しようと君の自由だ。自分のことは自分で判断する。これが君の『自由への道』だ。しかし、結婚すると結婚相手に拘束されることを忘れてはいけない。半同棲中に子供を作らなかったのには言いたくなかった理由がある。メールなら書けそうなので伝えよう。実は、母の弟は犯罪者で、猥褻事件を起こした後、十年前に刑期を終え、精神を病み、いま人里離れた精神病院に隔離されている。親類の間ではこの件は話題にすることがタブーで、話してはいけないことになっている。母は役所からの問い合わせに対しても、「そんな弟はいません」って堂々とシラをきっている。詳細はわからないが、母の叔父も窃盗か何かの犯罪者だ。母の姉の長男、つまり従兄弟はいかがわしいキャバクラを経営し、たびたび警察の手入れを受けている。母の妹の次男は、やくざの舎弟で、ゲーム賭博を開帳し、刑務所と娑婆を頻繁に出入りしている。離婚した父は、想像を絶する自己中で、酒乱だった。父の名前は口にするのも不愉快なので、母に父のことを言う時は、『アルチューデ・ランボー』とあだ名を使っている。父の兄は、酒乱の果てに祭りの日に神社で喧嘩し、撲殺されている。本家の長男は、家業がうまく行かず、癌に侵されていたということもあるが、首吊り自殺している。父方、母方、どちらの家系にも問題がある。尋常ではない。両親が離婚したのも、母方の犯罪者と父の酒乱による家庭内暴力が原因だ。父は祖父をつかまえて、泥酔した挙句に、出刃包丁を押し付けて、犯罪者の叔父と、「刺し違えて心中しろ」と迫ったことがあった。そしてこれが一番重要であるかも知れない。両親の離婚の原因は父の酒乱と家庭内暴力だと母から聞かされてきたが、親類の話では母の方にも多少の原因があったらしい。実際に目撃したわけではないが、母は浮気していたらしい。母が多情のせいもあって言い寄る男はかなりいたらしい。そのすべてと浮気をしたとも思えないが、その血はこの息子が受け継いでいるようだ。自分でもどうにも自制ができないほど女性に対してストイックでない。われながら情けなく思う。どちらの家系も、親族が存在することで不幸のどん底にあえいだ。子供を作れば、その可能性を抱えることになる。自分が不幸になるだけではなく、周囲もその不幸に巻き込むことになる。子供を作ろうとしなかったのは、子供が嫌いだったわけでも妊娠をネタに君から結婚を迫られることを


