「寝室に連れて行きますか?」
「ええ、お願いします」
土岐は長谷川と一緒にジャナイデスカの脇を片方ずつかかえた。次第にジャナイデスカの濡れ布団のような体が重く苦しく感じられてきた。平屋建てで寝室が一階にあるのが幸いだ。
入って右がリビング、その奥が寝室だった。
寝室に入る。ジャナイデスカをダブルベッドの上に仰むけに転がした。少しスプリングで弾む。ジャナイデスカの体はベッドの中に沈んだ。同時に天井の円形の照明が半分点灯された。
優子は即座にジャナイデスカのズボンのベルトを緩める。ポロシャツの胸のボタンをはずした。そこで気づいたように、
「すいません、リビングで少し待っててもらえますか?」
と土岐と長谷川に哀願するように囁いた。
「いやあ、もう帰ります。遅いですから」
と長谷川が固辞する。
「だって、足がないでしょ」
と言われて土岐は長谷川と共にリビングに移動する。
長谷川が言う。
「そう言われてみればそうだ。国道まで出れば、タクシーはあるかも知れないが、夜遊びして深夜にタクシーを利用する文化がこの国にはないんで、タクシーを拾える可能性は極めて低い。言われるとおり、待つことにしよう」
リビングのイタリア製のクリーム色のソファーに並んで腰掛けた。見慣れない部屋の中を眺める。不意にけたたましいいびきが聞こえてきた。
三十二インチの液晶カラーテレビの上のカッセトテープとDVDを指差して、長谷川が言う。
「あの本数が前回訪問したときよりも増えてるようだ」
寝室とリビングの間のドアが優子の後ろ手で閉じられる。
いびきの響きは遠くなった。
「すいません。お送りします」
そう促されて優子と再びガレージにむかう。長谷川は助手席に、土岐は後部座席に乗り込んだ。
それから急ブレーキと急ハンドルの運転が始まった。
「わたし、ずっと、ペーパードライバーだったんです。運転するのはこの国に来て初めて。だから、運転するのが怖くて」
「代わりましょうか?」
と長谷川が気味の悪いほど優しく言う。
「ええ、お願いします」
土岐は長谷川と一緒にジャナイデスカの脇を片方ずつかかえた。次第にジャナイデスカの濡れ布団のような体が重く苦しく感じられてきた。平屋建てで寝室が一階にあるのが幸いだ。
入って右がリビング、その奥が寝室だった。
寝室に入る。ジャナイデスカをダブルベッドの上に仰むけに転がした。少しスプリングで弾む。ジャナイデスカの体はベッドの中に沈んだ。同時に天井の円形の照明が半分点灯された。
優子は即座にジャナイデスカのズボンのベルトを緩める。ポロシャツの胸のボタンをはずした。そこで気づいたように、
「すいません、リビングで少し待っててもらえますか?」
と土岐と長谷川に哀願するように囁いた。
「いやあ、もう帰ります。遅いですから」
と長谷川が固辞する。
「だって、足がないでしょ」
と言われて土岐は長谷川と共にリビングに移動する。
長谷川が言う。
「そう言われてみればそうだ。国道まで出れば、タクシーはあるかも知れないが、夜遊びして深夜にタクシーを利用する文化がこの国にはないんで、タクシーを拾える可能性は極めて低い。言われるとおり、待つことにしよう」
リビングのイタリア製のクリーム色のソファーに並んで腰掛けた。見慣れない部屋の中を眺める。不意にけたたましいいびきが聞こえてきた。
三十二インチの液晶カラーテレビの上のカッセトテープとDVDを指差して、長谷川が言う。
「あの本数が前回訪問したときよりも増えてるようだ」
寝室とリビングの間のドアが優子の後ろ手で閉じられる。
いびきの響きは遠くなった。
「すいません。お送りします」
そう促されて優子と再びガレージにむかう。長谷川は助手席に、土岐は後部座席に乗り込んだ。
それから急ブレーキと急ハンドルの運転が始まった。
「わたし、ずっと、ペーパードライバーだったんです。運転するのはこの国に来て初めて。だから、運転するのが怖くて」
「代わりましょうか?」
と長谷川が気味の悪いほど優しく言う。


