椰子蟹を唐辛子と香辛料で炒めた料理が届けられた。大皿にてんこ盛りで溢れそうだ。赤くゆでた蟹に紅い唐辛子がからめられている。とてつもない辛さだ。
土岐は舌が火傷した。暫く、走り回った犬のように舌を空気にさらして冷めるのを待った。
三人で舌に呼気を送りながら顔を見合わせて苦笑した。
「ハッピー、ハッピー、今日もハッピー。おいしいものってほんとにいいですねェ。ハヒフヘハッピーピーヒャララ」
とジャナイデスカは愉快そうに食べる。楽しそうに呑んだ。
「♪たぶん~おれたァ~ちのォ~あしィ~たもォ~こんなだろォ~♪たぶん~おれたァ~ちのォ~あしィ~たァ~もォ~こォ~ん~なァ~だァ~ろォ~♪ジャンジャカジャン」
とグラスを片手に持つ。大きく左右に振る。外連味もなくブレヒトの劇中歌を演歌っぽく、音程を狂わせて唸りだした。
デカンタがカラになった。ロブスターがやってきた。拳骨ほどの大きさのロブスターが三尾盛り付けてあった。皿からこぼれそうだった。
三人でウエイターの配膳を助けた。皿の配置を工夫した。皿を置くとテーブルがいっぱいになった。肘を突くスペースもなくなった。
ジャナイデスカはテーブルの上に置いた携帯電話をポケットに戻した。
皿の配置が決まった。ウエイターが窓の外を指差した。
漆黒の夜気に目を凝らす。十六七の少年が窓に近づいてきていた。手に白いラベルの剥がれかかった安物の赤ワインの小瓶を持っている。
「サァ、アラック」
と左手で瓶を差しだした。右の手のひらを同時に突きだした。指で値段を提示した。
ジャナイデスカはそれを半値に値切ろうとした。
少年は肩をすぼめた。店内や背後に視線を巡らせた。
ジャナイデスカは、値切った金額を少年の手のひらに置いた。
少年は紙幣をさっと握り締める。イリュージョンのように宵闇に消えた。
「言い値でかうヒトはァ、おバカさんで、おマヌケさんです」
とジャナイデスカは残りのワインを呑み干した。そのグラスに地酒を注いだ。
再び乾杯した。土岐はワインのように流し込むことはできなかった。四十度は超えていた。強烈な甘さと高いアルコール濃度に少しむせた。
長谷川はなめるように早いピッチで呑んだ。
「だいじょうぶ?車でしょ?帰り自宅まで運転できる?」
と長谷川が心配する。
ジャナイデスカは余計なお世話というような胡乱な目をした。
土岐は舌が火傷した。暫く、走り回った犬のように舌を空気にさらして冷めるのを待った。
三人で舌に呼気を送りながら顔を見合わせて苦笑した。
「ハッピー、ハッピー、今日もハッピー。おいしいものってほんとにいいですねェ。ハヒフヘハッピーピーヒャララ」
とジャナイデスカは愉快そうに食べる。楽しそうに呑んだ。
「♪たぶん~おれたァ~ちのォ~あしィ~たもォ~こんなだろォ~♪たぶん~おれたァ~ちのォ~あしィ~たァ~もォ~こォ~ん~なァ~だァ~ろォ~♪ジャンジャカジャン」
とグラスを片手に持つ。大きく左右に振る。外連味もなくブレヒトの劇中歌を演歌っぽく、音程を狂わせて唸りだした。
デカンタがカラになった。ロブスターがやってきた。拳骨ほどの大きさのロブスターが三尾盛り付けてあった。皿からこぼれそうだった。
三人でウエイターの配膳を助けた。皿の配置を工夫した。皿を置くとテーブルがいっぱいになった。肘を突くスペースもなくなった。
ジャナイデスカはテーブルの上に置いた携帯電話をポケットに戻した。
皿の配置が決まった。ウエイターが窓の外を指差した。
漆黒の夜気に目を凝らす。十六七の少年が窓に近づいてきていた。手に白いラベルの剥がれかかった安物の赤ワインの小瓶を持っている。
「サァ、アラック」
と左手で瓶を差しだした。右の手のひらを同時に突きだした。指で値段を提示した。
ジャナイデスカはそれを半値に値切ろうとした。
少年は肩をすぼめた。店内や背後に視線を巡らせた。
ジャナイデスカは、値切った金額を少年の手のひらに置いた。
少年は紙幣をさっと握り締める。イリュージョンのように宵闇に消えた。
「言い値でかうヒトはァ、おバカさんで、おマヌケさんです」
とジャナイデスカは残りのワインを呑み干した。そのグラスに地酒を注いだ。
再び乾杯した。土岐はワインのように流し込むことはできなかった。四十度は超えていた。強烈な甘さと高いアルコール濃度に少しむせた。
長谷川はなめるように早いピッチで呑んだ。
「だいじょうぶ?車でしょ?帰り自宅まで運転できる?」
と長谷川が心配する。
ジャナイデスカは余計なお世話というような胡乱な目をした。


