@返信なかったわね。いそがしかったの?それともレセプションか何かで飲みすぎてダウンしてたの。心配するから、空メールでもいいから、返信ちょうだい。ところで、今日はあなたのおかあさんが大変だったのよ。買い物のついでにちょっとよってみたら、わたしの顔をみるなり大声で泣くの。「どうしたんですか?」って聞いたら、お漏らしをしちゃったんだって。時々、おもらしをするんで、パンツをいつも三枚はいているんだけど、その日はうっかり一枚しかはかないでスーパーに買い物に行って、牛乳とかソフトドリンクとか重たいものをレジ袋に詰め込んで、持ち上げたとたんに、ジャーってやっちゃたんだって。靴下までぐしょぐしょになって、サンダルから流れ出たのが、歩道にあふれて、足跡みたいになっちゃって、急ぎ足で帰ってきたんだって。それだけじゃなくって、大きい方をした後、いくら紙でふいてもパンツが汚れるんだって。「ウオッシュレットにしたら」って言ったら、「この間、妹の家で使ったけれど、舌でなめられているようで気持ち悪い」って。まあ、なれなんだけどね。「痔かも知れないから、みて」って、パンツを下ろして、お尻をつきだすから、みちゃったけど、痔核があるみたい。痛くはないと言うから、それほど深刻ではないとは思うけど。ごめんね。これ読みながら食事でもしていない?@
女同士だと、尻の穴でも見せ合えることに土岐はへんに感心した。
長谷川はコーヒーカップを二つ持ってきた。一つを土岐に渡すと、
@今日ちょっと忙しいので明日ちゃんとメールを送信するから@
と返信した。それから、その他のメールを整理した。返信の必要のあるものは返信をした。ひと段落着いた。
隣国のヘンサチから電話が入った。大使館の研修生が連絡してくれたらしい。ショスタロカヤの取次ぎだ。
土岐が報告したヒジノローマでのことの顛末を逐一説明する。長谷川が耳に軽くあてている受話器からヘンサチの落胆したような舌打ちが漏れてきた。
「困った、困った。最悪のシナリオだ」
と『困った』をそうでもなさそうに連発している。そう言いながらも、言葉の端々から偏差値七十を超える頭脳で奸計を巡らしていることは推察できた。
「かりにくるとしても、授賞式に間に合わないかも知れないな。ここの列車は二、三時間の遅れはあたり前だから。まあ」
女同士だと、尻の穴でも見せ合えることに土岐はへんに感心した。
長谷川はコーヒーカップを二つ持ってきた。一つを土岐に渡すと、
@今日ちょっと忙しいので明日ちゃんとメールを送信するから@
と返信した。それから、その他のメールを整理した。返信の必要のあるものは返信をした。ひと段落着いた。
隣国のヘンサチから電話が入った。大使館の研修生が連絡してくれたらしい。ショスタロカヤの取次ぎだ。
土岐が報告したヒジノローマでのことの顛末を逐一説明する。長谷川が耳に軽くあてている受話器からヘンサチの落胆したような舌打ちが漏れてきた。
「困った、困った。最悪のシナリオだ」
と『困った』をそうでもなさそうに連発している。そう言いながらも、言葉の端々から偏差値七十を超える頭脳で奸計を巡らしていることは推察できた。
「かりにくるとしても、授賞式に間に合わないかも知れないな。ここの列車は二、三時間の遅れはあたり前だから。まあ」


