「僕は正義の味方でもないし、殺された今田の親戚でもない。カネがなければ食ってけない、つまらん人間だ。あんたがスポンサーだから、あんたの言うとおりにするよ」と言いながら土岐はソファから立ち上がった。何ともやりきれない思いを抱えて、宇多法律事務所のビルの階段を下りていった。 了 31