「廣川弘毅のことを調査しているんですが、・・・吉野刑事を覚えておられますか?」
「・・・吉野幸三!それに、玉井要蔵!」
坂本は怒りとも驚きともつかないような目をむき出して大声で叫んだ。
「あやうう、嘘の調書とられて、犯罪者にされるとこでしたわ」
「その嫌疑の詳細をお聞かせ願えますか?」
「廣川弘毅が夕方、吹田工場にふらりと現れて、開示なんたらっちゅう雑誌の記事にしたいんで『インタビューさせてくれ』っちゅうって」
「で、そのとき、廣川弘毅にどんなことを聞かれたんですか?」
「・・・新製品のことやったと思う」
「で、吉野刑事と玉井刑事の嫌疑はどういうことだったんですか?」
「『不良在庫のことを吹田の料亭で廣川弘毅に教えただろう』ちゅうことでしたわ」
「不良在庫というのは?」
「新製品がでけたもんで、半値以下でも旧製品は売れんようになった。三月初めの棚卸のときは、新製品はまだ発表しとらんかったんで、三月期の決算のとき、旧製品は簿価で評価したらしい。そのことを、吉野と玉井は廣川弘毅に教えただろうっちゅう嫌疑や。新製品の発表で暴騰しとった株価が大量の空売りで、反転大暴落した。それで億単位のカネをぼろ儲けした連中にわいが加担したっちゅうて、拷問みたいな取り調べを受けたわ」
「その不良在庫のことを知っていたのは誰ですか?」
「まあ、取締役はおおかた、知っとったんちゃうか。工場では工員はみんな知っとった」
「廣川弘毅が、そのころにインタビューにやってきたというのは偶然だったんですかね?」
「知らん。悪知恵のごっつう働く奴らが何考えとるのか、こちとら、学がないから」
「では、外部の人間で不良在庫のことを知っているのは誰だと思いますか?」
「・・・取引先はみんな知っとったんちゃうかな」
「大量にあることも?」
「・・・わいは隠しとったけど、他の工員はぽっろっと漏らしたかも知らんわ」
「じゃあ、大量にあることを知っていた外部の人間は?」
「・・・そりゃあ、会計士は知っとった思うよ。だけど、会計士は内部の人間ちゃうんか?」
「そのときの監査法人はどこです?」
「・・・自動車の名前みたいな・・・たしか、センチュリーとか言っとった」
「セントラルではないですか?」
「・・・いや、センチュリーだ。自動車と同じ名前だったと記憶した覚えが」
「・・・吉野幸三!それに、玉井要蔵!」
坂本は怒りとも驚きともつかないような目をむき出して大声で叫んだ。
「あやうう、嘘の調書とられて、犯罪者にされるとこでしたわ」
「その嫌疑の詳細をお聞かせ願えますか?」
「廣川弘毅が夕方、吹田工場にふらりと現れて、開示なんたらっちゅう雑誌の記事にしたいんで『インタビューさせてくれ』っちゅうって」
「で、そのとき、廣川弘毅にどんなことを聞かれたんですか?」
「・・・新製品のことやったと思う」
「で、吉野刑事と玉井刑事の嫌疑はどういうことだったんですか?」
「『不良在庫のことを吹田の料亭で廣川弘毅に教えただろう』ちゅうことでしたわ」
「不良在庫というのは?」
「新製品がでけたもんで、半値以下でも旧製品は売れんようになった。三月初めの棚卸のときは、新製品はまだ発表しとらんかったんで、三月期の決算のとき、旧製品は簿価で評価したらしい。そのことを、吉野と玉井は廣川弘毅に教えただろうっちゅう嫌疑や。新製品の発表で暴騰しとった株価が大量の空売りで、反転大暴落した。それで億単位のカネをぼろ儲けした連中にわいが加担したっちゅうて、拷問みたいな取り調べを受けたわ」
「その不良在庫のことを知っていたのは誰ですか?」
「まあ、取締役はおおかた、知っとったんちゃうか。工場では工員はみんな知っとった」
「廣川弘毅が、そのころにインタビューにやってきたというのは偶然だったんですかね?」
「知らん。悪知恵のごっつう働く奴らが何考えとるのか、こちとら、学がないから」
「では、外部の人間で不良在庫のことを知っているのは誰だと思いますか?」
「・・・取引先はみんな知っとったんちゃうかな」
「大量にあることも?」
「・・・わいは隠しとったけど、他の工員はぽっろっと漏らしたかも知らんわ」
「じゃあ、大量にあることを知っていた外部の人間は?」
「・・・そりゃあ、会計士は知っとった思うよ。だけど、会計士は内部の人間ちゃうんか?」
「そのときの監査法人はどこです?」
「・・・自動車の名前みたいな・・・たしか、センチュリーとか言っとった」
「セントラルではないですか?」
「・・・いや、センチュリーだ。自動車と同じ名前だったと記憶した覚えが」


