「・・・やっぱり、来たのね」
「予感がしてましたか」
「・・・優秀な調査員なら、来ると思ってたわ」
土岐は勝手に事務椅子に腰かけた。
貞子はメーンソール煙草を取り出して火を付けた。
そこに長谷川が入って来た。コンビニのレジ袋に二人分の弁当が入っていた。
それを見て、土岐が聞いた。
「いいですか?」
「・・・いいですかって、このままここで話を続けていいかってこと?」
「話をしていいですか?」
「・・・・あっ、長谷川のこと?いいのよ、聞かれても、番犬みたいな人だから」
聞かれてもいい、と言われて長谷川の右の目元が緩みかけた。しかし、番犬みたいと言われて、右の口角が歪んだ。
土岐は長谷川の存在が気になったが、話を続けた。
「貞江さん、お母さんはお元気ですか?」
「・・・ええ、おかげさまで、最近少し、体力も視力も衰えて、少しボケてきたみたいだけど、病院の検査では、少し糖尿の気があるというだけで・・・」
「三田法蔵の骨はどこにあるんですか?」
「・・・敦賀の法蔵寺に」
「でも、三田法蔵は捨て子で、身内がいないと聞いてますが・・・」
「・・・戸籍上では、そうなっていると思います。でも、法雄さんは、わたしと血が繋がっているんです」
「どういう関係なんですか?」
「・・・私のお祖母さん、志茂法子っていうんですけど、彼女の弟なんです」
と言われて、土岐は家系図を頭の中に描いた。志茂法子の娘が中村貞江、そのまた娘が相田貞子、志茂法子の弟が三田法蔵・・・。
「でも、法蔵寺では、捨て子として養育されたんですよね」
「・・・その辺は、私は何も知りません。全て、母から聞いた話で・・・その母も、祖母から聞いた話で・・・」
「おばあさんの弟、三田法蔵が捨て子になった経緯は?」
「・・・母の話によれば、私の曾祖母、おばあさんのおかあさんと法蔵寺の先々代の住職がねんごろになって、法雄さんができて、そのとき曽祖父は兵役で不在で、姦通罪を逃れるために、地元の敦賀では近所の目があるので、糸魚川の一の宮の神社の禰宜で高野という親戚がいたので、そこで法雄さんを生んで、捨て子ということで、法蔵寺に預けたということで・・・お寺なら学校にも行かせてもらえるし、志茂家の食い扶持が一人減るし、・・・法蔵寺の大黒さんはそのことを薄々気づいていたようで、『法雄さんが随分いじめられた』と祖母が言ってたようです」
「予感がしてましたか」
「・・・優秀な調査員なら、来ると思ってたわ」
土岐は勝手に事務椅子に腰かけた。
貞子はメーンソール煙草を取り出して火を付けた。
そこに長谷川が入って来た。コンビニのレジ袋に二人分の弁当が入っていた。
それを見て、土岐が聞いた。
「いいですか?」
「・・・いいですかって、このままここで話を続けていいかってこと?」
「話をしていいですか?」
「・・・・あっ、長谷川のこと?いいのよ、聞かれても、番犬みたいな人だから」
聞かれてもいい、と言われて長谷川の右の目元が緩みかけた。しかし、番犬みたいと言われて、右の口角が歪んだ。
土岐は長谷川の存在が気になったが、話を続けた。
「貞江さん、お母さんはお元気ですか?」
「・・・ええ、おかげさまで、最近少し、体力も視力も衰えて、少しボケてきたみたいだけど、病院の検査では、少し糖尿の気があるというだけで・・・」
「三田法蔵の骨はどこにあるんですか?」
「・・・敦賀の法蔵寺に」
「でも、三田法蔵は捨て子で、身内がいないと聞いてますが・・・」
「・・・戸籍上では、そうなっていると思います。でも、法雄さんは、わたしと血が繋がっているんです」
「どういう関係なんですか?」
「・・・私のお祖母さん、志茂法子っていうんですけど、彼女の弟なんです」
と言われて、土岐は家系図を頭の中に描いた。志茂法子の娘が中村貞江、そのまた娘が相田貞子、志茂法子の弟が三田法蔵・・・。
「でも、法蔵寺では、捨て子として養育されたんですよね」
「・・・その辺は、私は何も知りません。全て、母から聞いた話で・・・その母も、祖母から聞いた話で・・・」
「おばあさんの弟、三田法蔵が捨て子になった経緯は?」
「・・・母の話によれば、私の曾祖母、おばあさんのおかあさんと法蔵寺の先々代の住職がねんごろになって、法雄さんができて、そのとき曽祖父は兵役で不在で、姦通罪を逃れるために、地元の敦賀では近所の目があるので、糸魚川の一の宮の神社の禰宜で高野という親戚がいたので、そこで法雄さんを生んで、捨て子ということで、法蔵寺に預けたということで・・・お寺なら学校にも行かせてもらえるし、志茂家の食い扶持が一人減るし、・・・法蔵寺の大黒さんはそのことを薄々気づいていたようで、『法雄さんが随分いじめられた』と祖母が言ってたようです」


