「・・・そんなところでしょうかね・・・夜分失礼いたしました。先ほど申し上げたマスコミへのリークについては、たとえ今のお話が、真実の一部であったとしても、『廣川弘毅の轢死は自殺とせよ』という警視庁内部の天の声の出どころが解明されていないので、解明されるまでは、こちら側がこれまで得た情報をどこかに漏らす予定です。井戸ポンプの呼び水というやつです。マスコミにリークすれば、どこからか何らかの反応があるはずです。われわれがもう少し納得できるその辺の真実をお話しいただければ、いつでもストップしますので、二、三日中に土岐さんの方に改めて、ご連絡ください。それでは・・・」
と海野は席を立った。土岐もそれに従った。
長瀬は憮然として座ったままだ。長瀬は二人を見送らなかった。
二人は冷たい夜風の中を、そのまま日本橋までぶらぶら歩き、ビルの地下にある居酒屋〈株都〉に入った。入り口で海野に近づくと、相変わらず垢まみれの体臭がする。
土岐はテーブルに着くなり、海野に喰ってかかるように質問した。
「長瀬から連絡があったらどう対処するんですか?」
「・・・連絡なんぞ、ありはしない。連絡したら、疑惑を認めることになる。それに、現金授受で解決し、それがばれたら、おれは懲戒免職で、定年間際で退職金も受け取れない。そんな危ない橋は、おれは渡らない」
「なるほど、どっちにしても共倒れということですか・・・じゃあ、長瀬はどうすると読んでいるんですか?」
と海野は席を立った。土岐もそれに従った。
長瀬は憮然として座ったままだ。長瀬は二人を見送らなかった。
二人は冷たい夜風の中を、そのまま日本橋までぶらぶら歩き、ビルの地下にある居酒屋〈株都〉に入った。入り口で海野に近づくと、相変わらず垢まみれの体臭がする。
土岐はテーブルに着くなり、海野に喰ってかかるように質問した。
「長瀬から連絡があったらどう対処するんですか?」
「・・・連絡なんぞ、ありはしない。連絡したら、疑惑を認めることになる。それに、現金授受で解決し、それがばれたら、おれは懲戒免職で、定年間際で退職金も受け取れない。そんな危ない橋は、おれは渡らない」
「なるほど、どっちにしても共倒れということですか・・・じゃあ、長瀬はどうすると読んでいるんですか?」


