祭りのあと

「3411でWEB検索してもらえますか?」
「何かヒットするかも知れないですな」
と林は検索ワードに3411と打ち込んでエンターキーを叩いた。ムカデの子供が巨大な卵から排出されるようにヒットしたサイトがうじゃうじゃと出てきた。
「三千件以上ありますな。電話番号、登録番号、掲載番号、ページ番号ということですか」
と言いながら林はひとつひとつ画面をスクロールしながら確認し、クリックを繰り返した。
「きりがないですね。他にキーワードがないから、絞りようがないですね。日本に帰ったらいろんな検索エンジンでやってみます」
と土岐は日本に帰ってからゆっくりと見ることにしようと考えた。
「南條警部のメールが五月雨的に来ているのですよ。思いつくとすぐ送信するみたいで今回の件について断片的なメールがもう十通ぐらいあるのです。まるでメールのジグゾーパズルみたいです。でも、この件についての彼の気迫が伝わってくるようです」
と言いながら、林は保存ファイルに格納された南條からのメールの件名リストを土岐にみせた。件名は通し番号になっているだけで内容は分からない。
「まだじっくり読んでいないのですが、あなたにも依頼したが私の方からもこちらの様子をメールで送信してくれと言うので昨日の状況は今朝あなたが眠っている時間に送信しておきました。すると早速返信があって色々と質問があって、まだ全部には回答していないのですがホスピタリティコンベンションについての調査依頼もありました。年を取ると早朝に眼が覚めてしまって一度トイレで眼が覚めると、それからもう寝付けないのです。久しぶりの日本語のメールで、いい時間つぶしになりました」
と好々爺のように林は話す。暫くして林の携帯電話に着信があった。林が出た。どんな会話が交わされているか、土岐には分からなかった。やりとりが数分の間続いた。電話が終わるとツンボ桟敷の土岐に林が通訳ガイドのように説明してくれた。
「あの家の住民は、ジェイムズ・ノイマンです」
「ジェイムズ・ノイマン?ということはイニシャルはJ・Nですね」
「それがどうかしたんですか?」
「バッジです。かれらが胸につけていたバッジが、J・Nなんです」