祭りのあと

「いまどこですか?」
「車寄せの先のところです」
と土岐が言うとキャデラックが背後から急停止した。土岐は右ドアに回りこんで助手席に飛び乗った。
「フリーウエイを北へ」
と土岐が口早に叫ぶとキャデラックはもんどり打つようにタイヤを軋ませて急発進した。あたりはようやく夜らしくなってきた。それでもまだヘッドライトをつけなくても走行できた。土岐はサンタアナフリーウエイを北上したことをもう一度告げた。林は猛スピードで追尾を始めた。二三分でイエローキャブの斜め後ろに追いついた。肩に少し後ろ髪がかかるミディアムの髪型で奈津子らしいことを後部座席に確認した。隣にはアジア人、助手席には白人が座っている。
「このタクシー」
と土岐が言うと林はハンドルを握る両手でハンドルを軽く叩いた。「あとの二人はパリと香港から来たみたいですね」
と林が土岐に同意を求めてきた。