と林が気を遣ってくれたが、土岐は日本から履いてきたスニーカーで回ることにした。先着の家族連れのパーティーが二組程待っていた。五分程で10番ホールを出発した。土岐は練習もしていないので、空振りやダフリやトップやソケットばかりだったが、キャディもいないし、自分でゴルフバッグを背負って、へたなりに自分のペースで楽しめた。林がディボットに転がり込んだ土岐のゴルフボールを打ちやすいように置きなおしても誰も文句を言わない。安いこともあってか、どのパーティーも友人や夫婦や親子連れで、ラフな思い思いの格好で、骨董のような木製のクラブを振り回してピクニック感覚で楽しんでいた。ハーフをラウンドしたころには五時近くになっていた。あたりはまだ、昼間のように明るかった。
「私の家でシャワーを浴びて着替えてから行きますか」
という林の誘いに乗って、彼の自宅で土岐はシャワーをあびた。お湯の出が良すぎて、シャワーのお湯が皮膚に突き刺さるようだった。
林の自宅は海岸近くの住宅街で一軒の敷地が千平米程あった。二階建てで建坪は百坪程。ベッドルームが三つ。一つが土岐に開放された。そこで土岐は着替えた。ベッドルームから窓越しに見えるバックヤードには芝生が敷き詰めてある。中央にピンが立ててある。
「そろそろ、行きましょうか」
という階下からの林の声に促されて、土岐は屋外に出た。外はまだ明るい。車庫には大型車三台分のスペースがある。キャデラックの他に日本製のサブコンパクトカー。もう一つのスペースにはエンジンつき小型ボートがあった。
「これをアメリカン・ドリームって言うんですかね」
と日本の狭小な自宅アパートと比較して、うらやましそうに言う土岐に、林はだぶついた頬の肉を震わせながらかぶりをふった。
「それ程ではないですね。だれでもそこそこに真面目にこつこつと努力すれば、これは普通の生活です。アメリカン・ライフです」
再びドリムランドの直営ホテルに向かおうとして車庫の前に立つ土岐のところに林の奥さんがやっと現れた。林は、
「家内です」
と彼女を簡単に土岐に紹介した。林の奥さんは若い頃の美貌を髣髴とさせる容貌で、日本語が堪能だった。髪型も化粧も日本人とほとんど変わらなかった。林はキャデラックを車庫から出し土岐を乗せた。車の中で林は不安そうに言った。
「私の家でシャワーを浴びて着替えてから行きますか」
という林の誘いに乗って、彼の自宅で土岐はシャワーをあびた。お湯の出が良すぎて、シャワーのお湯が皮膚に突き刺さるようだった。
林の自宅は海岸近くの住宅街で一軒の敷地が千平米程あった。二階建てで建坪は百坪程。ベッドルームが三つ。一つが土岐に開放された。そこで土岐は着替えた。ベッドルームから窓越しに見えるバックヤードには芝生が敷き詰めてある。中央にピンが立ててある。
「そろそろ、行きましょうか」
という階下からの林の声に促されて、土岐は屋外に出た。外はまだ明るい。車庫には大型車三台分のスペースがある。キャデラックの他に日本製のサブコンパクトカー。もう一つのスペースにはエンジンつき小型ボートがあった。
「これをアメリカン・ドリームって言うんですかね」
と日本の狭小な自宅アパートと比較して、うらやましそうに言う土岐に、林はだぶついた頬の肉を震わせながらかぶりをふった。
「それ程ではないですね。だれでもそこそこに真面目にこつこつと努力すれば、これは普通の生活です。アメリカン・ライフです」
再びドリムランドの直営ホテルに向かおうとして車庫の前に立つ土岐のところに林の奥さんがやっと現れた。林は、
「家内です」
と彼女を簡単に土岐に紹介した。林の奥さんは若い頃の美貌を髣髴とさせる容貌で、日本語が堪能だった。髪型も化粧も日本人とほとんど変わらなかった。林はキャデラックを車庫から出し土岐を乗せた。車の中で林は不安そうに言った。


