祭りのあと

「また何かあったら、ご連絡下さい。それから例のバッジ、さっき鑑識のほうの結果が出たようですが、この携帯に連絡させますか?」
「そうねがう」
と南條が言うと切れた。高橋が待合室から出てきた。話すべきかどうか南條は躊躇したが、
「墨田署の斉藤というのに、規子がレンタカーで奈津子殺害の夜、大阪から来なかったかどうか、Nシステムでチェックしてもらった結果です。奈津子の死亡推定時刻に間に合う時間帯でチェックしてもらったんですが該当車両なしで」
「それなら規子は運転免許持っていないんですよ。浪江の方は免許を持っていたんですが、更新しなかったんで無免許状態です」
「浪江が規子を乗せて、レンタカーできた、ということですか?」
「いや、レンタカー会社は免許証がないと貸さないんで、それはない」
「多めに料金を払ってレンタカー会社に眼をつむってもらうのは?」
「どうですかね。サラ金と同じで、免許証が身分証明になるんで。かりに、浪江が期限の切れた免許証を持っていたとしても、そこに記載されている住所に住んでいるという保証がないから、レンタカー会社は貸さないでしょう。乗り逃げされたら、えらい損失ですから」   
 高橋が次を言いかけたとき、南條が思い出したように叫んだ。
「しまった。大阪府警の小関さんに断りの電話を入れないと」
と南條は小関に依頼した件を思い出して慌てて小関に断りの電話を掛けた。小関は出なかった。南條は留守番電話にメッセージを入れた。そこに隠坊がやってきた。南條と高橋に軽く会釈すると二人に入室の許可を得るような仕草で頭を下げながら待合室のドアを開け、二人が入室すると、遺族の浪江と規子に話しかけた。
「お待たせしました。大分、水分が多かったようで、幾分時間が掛かりましたが、ようやくお骨になりました。骨上げをしますので、収骨室の方へ、移動願います」
 全員が隠坊の後について収骨室に向かった。収骨室は正方形の白い小部屋だった。ステンレスの台の上に脱色したような乳白色の骨がばらばらに散らばっていた。それを見て土岐が南條に耳打ちした。
「なんか大の大人にしては、ずいぶん少ないような気がしますが」
「カネ目のものは選り出してる。骨壷に入りそうもない骨は捨ててる」「えっ、そんなことしていいんですか?」
「いいも何も金歯なんかは隠坊の副収入になる」
 それが聞こえたのか隠坊は一際大きな声で、