「それにこれは左利きの特徴だ。馬乗りになって首を絞めるとき、特に永山奈津子のように細い首の場合は、親指がクロスするのが自然だ。親指をクロスさせないと、肘がまっすぐに伸びないんで、力が入れにくい。お前の言うように、右手の親指で、永山奈津子の喉の左側を押さえつけると、手首が折れて、上からのしかかったときに、体重が指先にのりにくい。そういうやり方はどう考えても不自然だ」
と言われて土岐は首を絞めるまねをした。上からのしかかって体重を指先に預ける場合、親指をクロスさせた方が力を入れやすい。右手の親指を相手の左側の喉もとに押し付けると手首が折れて体重を乗せづらい。
「なる程。すると、永山奈津子の首を絞めたのは左利きの人間でしかも、長田尊広ではないということですか」
と土岐は幾度もうなずいた。
「気になることがあるんですよね」
と高橋が話題に参加してきた。
「絞殺死体の写真はいくつか見ているんですけど、喉の鬱血は大体、
顎の下が一般的なんですよね」
と言われて南條も同調した。
「そう言われりゃそうだ。馬乗りになって力一杯首を絞めれば両手は自然と顎の下に行く。この写真だと、首の真ん中あたりになってるな」
と言いながら南條は首をひねっている。
「両手首にも鬱血がありました」
と高橋は同じサイズの写真をみせた。青白い手首に汚れた腕輪のような鬱血が見られた。南條が口を開いた。
「一人が両手首を抑え、もう一人が正面から首を絞めたということか」
それを聞いて高橋が遠慮がちに言う。
「その可能性もありますが、最初両手首を押さえ込んで格闘し、害者が疲労困憊して力尽きて抵抗力がなくなってから害者の両手を両足で押さえつけて、喉を絞めたとも考えられます。害者の爪をチェックしてみたんですが加害者の物と思われる皮膚の断片は見つかりませんでした。長田尊広の爪からも永山奈津子の皮膚の一部と思われるような断片は発見されませんでした。これはあく迄も見た目ということですが。まあ、爪を立てなければ、皮膚の断片がなくても、それは、それで辻褄は合うんですが」
「ということはDNA鑑定に回されている検体はひとつもない?」
と言われて土岐は首を絞めるまねをした。上からのしかかって体重を指先に預ける場合、親指をクロスさせた方が力を入れやすい。右手の親指を相手の左側の喉もとに押し付けると手首が折れて体重を乗せづらい。
「なる程。すると、永山奈津子の首を絞めたのは左利きの人間でしかも、長田尊広ではないということですか」
と土岐は幾度もうなずいた。
「気になることがあるんですよね」
と高橋が話題に参加してきた。
「絞殺死体の写真はいくつか見ているんですけど、喉の鬱血は大体、
顎の下が一般的なんですよね」
と言われて南條も同調した。
「そう言われりゃそうだ。馬乗りになって力一杯首を絞めれば両手は自然と顎の下に行く。この写真だと、首の真ん中あたりになってるな」
と言いながら南條は首をひねっている。
「両手首にも鬱血がありました」
と高橋は同じサイズの写真をみせた。青白い手首に汚れた腕輪のような鬱血が見られた。南條が口を開いた。
「一人が両手首を抑え、もう一人が正面から首を絞めたということか」
それを聞いて高橋が遠慮がちに言う。
「その可能性もありますが、最初両手首を押さえ込んで格闘し、害者が疲労困憊して力尽きて抵抗力がなくなってから害者の両手を両足で押さえつけて、喉を絞めたとも考えられます。害者の爪をチェックしてみたんですが加害者の物と思われる皮膚の断片は見つかりませんでした。長田尊広の爪からも永山奈津子の皮膚の一部と思われるような断片は発見されませんでした。これはあく迄も見た目ということですが。まあ、爪を立てなければ、皮膚の断片がなくても、それは、それで辻褄は合うんですが」
「ということはDNA鑑定に回されている検体はひとつもない?」


