祭りのあと

 谷町線で谷町四丁目から谷町九丁目迄行き千日前線に乗り換え日本橋で降りた。ペンシルビルの地下一階のこじゃれた串かつ屋に小関が予約を入れていた。二十人程で一杯になる濃紺のカウンターの奥に三人で腰掛けた。横から近くで見ると小関は異様な程長い顔をしていた。目がギョロ目で眉が太く、唇も分厚く、じっと見ると暑苦しい。
「浪江は東京で小学校の先生をしてたようです。規子から聞いたんで」
「それで関西訛りがないのか。で、東京のどこで?」
「日暮里とか」
と聞いて南條は串かつの串を口蓋に突き刺しそうになった。
「行ってきたばかりだ。旧姓か。それで気付かなかった。コピーをとった名簿に浪江という名前があったのかも知れない」
「その頃、一九六〇年代に、長田尊広のてて親の長田隆は既に、こちらのやくざのチンピラの一員になっとって。まだ、使いぱしりやったけど、関東進出組に抜擢されて勢力拡大の任を担って東京へ出張った。そこで、長田隆と東京で義兄弟になった男の紹介で浪江を見初めて、どっちも部落出身で、気性が合ったようで、東京で内縁関係になった。それが浪江の小学校にばれて、浪江は居づらくなったようで」
「部落出身やくざが多いとは聞いてたが浪江がムラの出というのは」