祭りのあと

「昨夜の林さんのメールによると3411はジェームス・ノーマンの5歳の妹を殺害した犯人の車のナンバーだそうです。ジェームスは空き家で強姦され殺害された現場を裏窓の外から目撃した。しかし助けようとはしなかった。妹を見殺しにしたその事実は誰にも言えなかった。幼女の妹が暴行殺害される状況に興奮したそうです。車で逃げ去る犯人のナンバーが3411だと記憶した。その後、捜査で妹のダイイングメッセージが空き家の床の埃の上に○○△―であることが分かったときジェームスは父ジェイソンに3411だと主張した。刑事はその主張を無視した。ジェイソンはアナハイムに住居を求め、会員に参加条件としてナンバープレート3411を求めた。犯人がその中にいることを期待した。ジェームスが目撃した犯人はインテリ風で小太りで身長170センチ前後、薄毛で金縁眼鏡を掛けていたそうだ。しかし、秘密クラブを結成したのは事件から20数年後だから犯人は死亡しているかもしれない。いずれにしてもジェームスは犯人を探し出すことはできなかった。詳細は次のメールで、とあります」
「最初は犯人を捜す目的であったかもしれないが、その後、会員証のようになったということか」
と南條は車窓に語り掛けた。
 新大阪に着いたのは二時過ぎだった。新大阪駅のホームで高橋から送られてきた写メールを開けてみた。南條が鑑識に回したバッジに良く似ていたが、上の二枚のはんぺんが合体しているような形状だった。
「できそこないか」
と南條は呟いた。その時東京からの連絡があった。南條が出ると、舞浜署の高橋警部補が先刻の南條の依頼に答えた。
「先程の長田の着衣の件ですが衿穴にガサ入れで出てきたのと同じようなバッジがありました。ただ密着していてはずせないんです」
「現金は出てこなかったかな。スイス系銀行の帯封のあるやつなんだ」
「いまのところ、そういう報告は上がって来ていません」
「ありがとう。明朝、そっちに伺うんで、そのときはよろしく」