祭りのあと

表向きはネアンデルタール協会という任意団体だが、それはカムフラージュで十年以上前からインターネットで画像交換をしていた。年に一度は秘密会員相互間で情報交換をしていた。それにパリとホンコンのマーケットが拡大して取引も大掛かりになった。直接出会ってお互いの希望を聞いたり支払条件の交渉をしたり。駆け引きもある。原則は物々交換だったがタイミングや金額がなかなか折り合わないので、差額はスイス系の銀行を経由して現金決済ということになっていた。一般顧客に対しては出所が分からないように何カ国ものいくつものサーバーを経由してサーバーだけ置いてあるペーパー・カンパニーのタックス・ヘイブンも経由して、永山高志や長田隆の初期の時代とは様変わりで、日常的にはインターネットを活用していたようではあるが」
「何の変哲もない普通の住宅で、パワーポイントでそんなものを見ていたんですか。アナハイムではよく見えなかったけど」
「俺は現場にいたわけじゃないから知らん。この情報はロス市警経由でもたらされたものだ。林のメールにある情報だ。林の知り合いの検視官からロス市警に俺からの情報がもたらされて、ジェイムズが少女誘拐の容疑で尋問を受けている。ジェイムズは以前から当局に眼をつけられていた。ろくに証拠はないはずだがアメリカの捜査の事情は良く知らん。ロス市警から警視庁にけさ奈津子の照会があって緊急の事情聴取の要請になったわけだ。その奈津子はけさCDLに出社していなかった。自宅にもいなかった。だから寝袋の中は十中八九奈津子だと読んでいた。その奈津子は長田に殺された。自白調書を取る段階で、事件全体の整合性を考えなければならん。最終的には永山奈津子と長田尊広は少女殺害に関しては共犯ということになる。大阪関連の事案は長田がかかわっていた可能性が高いが、東京関連の事案は奈津子がどの程度かかわっていたかは彼女の父親が昨年死んでいるので、今のところ全く藪の中だ。東京の当事者が二人ともいなくなってしまった」
「何だってナンバープレート迄3411でなければならないんだ?」
「アナハイムのジェイムズ・ノイマンの自宅での会合に集まった車か。
会員であるという証拠が必要なのでナンバープレートとバッジにした。
バッジの記号はなんでも良かったが、Jはジェイソン、または、ジェ
イムズで、Nはノイマンの頭文字だ」