と奈津子は理解しているのを確認するように土岐の顔を見る。彼の思考力が軽い睡魔で低下していると見て取った奈津子は、説明したことを再び同じ紙の上に式に描いた。
「父親が正常でも母親が異常だと息子は全員異常になって娘は全員母親と同じで外見上は正常だけど異常の染色体を持つ。特に両親が異常だと子供全員が異常になる。だから異常な母親は子孫に異常の遺伝子をばら撒く形になる。そういう異常な女の子は千人か一万人に一人しかいない。だから人数的には男の子の異常の方が圧倒的に多い。殺人者でも犯罪者でも家庭内暴力でも通り魔でも男の方が圧倒的に多い。でもおおもとは異常な母親にあってこの母親がいる限り邪悪な人々はなくならない。だから邪悪な女の子を一人でも多く探し出して抹殺しないと」
と奈津子は眼をとろんとさせてきた土岐を見て優しく微笑む。土岐は殺人の話しをしているのに無性に眠くなる自分が不思議に思えた。奈津子は説明したことを式に描いた。
「でも女の子は何の犯罪も犯していない。抹殺すべきは実行犯となる邪悪な男の子じゃないんですか?」
「確かに異常とは言えまだ罪を犯していない女の子を抹殺するのはどう考えても常識ではおかしいかも知れませんね。でも実行犯となる男の子を特定することには問題があるの。私のアジナーチャクラがその男の子を認識できない。私が特定できるのは異常な女の子だけなの。だから、男の子の場合は、殺人を犯してはじめて分かるの。それじゃ遅い。なんの罪もない無辜で善良な人々がある日突然、理不尽に殺害される。一人だけ殺害して逮捕された場合は死刑にもならない。無期懲役と言っても二十年もすれば仮釈放されるでしょう」
土岐の睡魔は不覚にも彼の意識をほぼ支配しつつあった。奈津子の声音は子守歌のように聞こえた。確かにあまりにも異様なことがありすぎて肉体的にも精神的にも疲労困憊していた。欲しいのは睡眠だけになってきた。小難しい話を聞くと眠くなるのは癖だった。「もう遅いからそろそろ帰ります。あなたを完全には信頼していないので全てを話すことはできません。引越しは来週でいいですね。これは引越しの費用と当面の生活費です」
「父親が正常でも母親が異常だと息子は全員異常になって娘は全員母親と同じで外見上は正常だけど異常の染色体を持つ。特に両親が異常だと子供全員が異常になる。だから異常な母親は子孫に異常の遺伝子をばら撒く形になる。そういう異常な女の子は千人か一万人に一人しかいない。だから人数的には男の子の異常の方が圧倒的に多い。殺人者でも犯罪者でも家庭内暴力でも通り魔でも男の方が圧倒的に多い。でもおおもとは異常な母親にあってこの母親がいる限り邪悪な人々はなくならない。だから邪悪な女の子を一人でも多く探し出して抹殺しないと」
と奈津子は眼をとろんとさせてきた土岐を見て優しく微笑む。土岐は殺人の話しをしているのに無性に眠くなる自分が不思議に思えた。奈津子は説明したことを式に描いた。
「でも女の子は何の犯罪も犯していない。抹殺すべきは実行犯となる邪悪な男の子じゃないんですか?」
「確かに異常とは言えまだ罪を犯していない女の子を抹殺するのはどう考えても常識ではおかしいかも知れませんね。でも実行犯となる男の子を特定することには問題があるの。私のアジナーチャクラがその男の子を認識できない。私が特定できるのは異常な女の子だけなの。だから、男の子の場合は、殺人を犯してはじめて分かるの。それじゃ遅い。なんの罪もない無辜で善良な人々がある日突然、理不尽に殺害される。一人だけ殺害して逮捕された場合は死刑にもならない。無期懲役と言っても二十年もすれば仮釈放されるでしょう」
土岐の睡魔は不覚にも彼の意識をほぼ支配しつつあった。奈津子の声音は子守歌のように聞こえた。確かにあまりにも異様なことがありすぎて肉体的にも精神的にも疲労困憊していた。欲しいのは睡眠だけになってきた。小難しい話を聞くと眠くなるのは癖だった。「もう遅いからそろそろ帰ります。あなたを完全には信頼していないので全てを話すことはできません。引越しは来週でいいですね。これは引越しの費用と当面の生活費です」


