と言いかけたときに、三人連れの客が勘定を済ませて、出て行った。テーブルは片付いていなかったが、二人は空いたその席に移った。
「明日CDLに行きます」
と土岐が椅子を引き寄せながら提案した。南條が聞く。
「行ってどうする?」
「永山奈津子に会ってきます」
「逢ってどうする?」
「気付かれないように尋問してみます」
「それは無理だ。お前はどしろうとだ。尋問はできるかもしれねえが、気付かれるから、奈津子は答えないか嘘をつく。間違いなく失敗する。それに明日は代休で休みじゃないか」
「いえ、成田から電話で確認したら、明日出社するそうです」
「逢うのはいいが尋問はやめとけ。やぶへびだ。こっちはまだ何の証拠も集めちゃいねえ。気付かれて湮滅されたら元も子もない」
「それじゃ尋問はやめときます。それとなく言ってみて彼女の反応を見てみます。それから永山クリニックの住所の1の41の3と3411のナンバープレートは何か関係があるんでしょうか」
「偶然にしては数字が一致しすぎている。長田の大阪の住所も11の4の3だ。出てくる数字が1と3と4だ。なんの脈絡もない」
疲労と時差とアルコールで土岐は朦朧としてきた。南條の話が間歇的に次第に遠くなるのを感じていた。南條が思い出したように、
「CDLの前に、大阪に行ってもらえないか。長田の身辺を洗って貰いたい。このメモに住所が書いてある。大阪府警の小関に話を通しておく。とりあえず、明後日の月曜日、新幹線に乗ってくれ。詳細はメールする。ほんとは、おれが行きたいところだが、名目がない。出張願を出しても、通りそうもない。有給はすでに全部使い果たしちまったし、申し訳ないけど。永山奈津子の方はその後でもいいだろう。それから、これは裏金だ」
と言いながら南條は茶封筒を差し出した。結局、その晩は記憶を失い、どうやって自分のアパートに帰宅したのか記憶がなかった。
翌日の日曜日は、二日酔いで寝ていた。夕方になって亜衣子に電話し、叔母の容態が落ち着く迄、もう少し、研究所を休むと伝えた。
月曜の午前中、土岐は黒いハンチングを被って新幹線で大阪に向かった。熱海を過ぎたあたりで南條から携帯電話にメールが入った。
「明日CDLに行きます」
と土岐が椅子を引き寄せながら提案した。南條が聞く。
「行ってどうする?」
「永山奈津子に会ってきます」
「逢ってどうする?」
「気付かれないように尋問してみます」
「それは無理だ。お前はどしろうとだ。尋問はできるかもしれねえが、気付かれるから、奈津子は答えないか嘘をつく。間違いなく失敗する。それに明日は代休で休みじゃないか」
「いえ、成田から電話で確認したら、明日出社するそうです」
「逢うのはいいが尋問はやめとけ。やぶへびだ。こっちはまだ何の証拠も集めちゃいねえ。気付かれて湮滅されたら元も子もない」
「それじゃ尋問はやめときます。それとなく言ってみて彼女の反応を見てみます。それから永山クリニックの住所の1の41の3と3411のナンバープレートは何か関係があるんでしょうか」
「偶然にしては数字が一致しすぎている。長田の大阪の住所も11の4の3だ。出てくる数字が1と3と4だ。なんの脈絡もない」
疲労と時差とアルコールで土岐は朦朧としてきた。南條の話が間歇的に次第に遠くなるのを感じていた。南條が思い出したように、
「CDLの前に、大阪に行ってもらえないか。長田の身辺を洗って貰いたい。このメモに住所が書いてある。大阪府警の小関に話を通しておく。とりあえず、明後日の月曜日、新幹線に乗ってくれ。詳細はメールする。ほんとは、おれが行きたいところだが、名目がない。出張願を出しても、通りそうもない。有給はすでに全部使い果たしちまったし、申し訳ないけど。永山奈津子の方はその後でもいいだろう。それから、これは裏金だ」
と言いながら南條は茶封筒を差し出した。結局、その晩は記憶を失い、どうやって自分のアパートに帰宅したのか記憶がなかった。
翌日の日曜日は、二日酔いで寝ていた。夕方になって亜衣子に電話し、叔母の容態が落ち着く迄、もう少し、研究所を休むと伝えた。
月曜の午前中、土岐は黒いハンチングを被って新幹線で大阪に向かった。熱海を過ぎたあたりで南條から携帯電話にメールが入った。


