それにしてもこの条件、色々と引っかかるところがある。そうは言っても、教えてくれただけでもありがたいので、根掘り葉掘り聞くことはできない。


「あと、伝えていない話があるとしたら、あの映像を見せると私がすごく疲れるってことかな」


「だからあの時、具合が悪かったんですね」


「うん。話せることはそのくらい。私だって自分が死ぬってこと以外は、ほとんどなにもわかってないの。どんなふうに死ぬかさえわからない」


 自分の死が関わっているということを、木村先輩はまるで他人事のように話した。