何気なく空を見上げてみると、その景色に僕は心を奪われた。琴音と一緒に見たい。


「琴音、空がすごいことになっているよ」


「空?」


 僕から離れた琴音も空を見た。琴音の目がキラキラと輝いていく。あまりに感動したためだろうか。口角をあげて大きな口を開けて、釘付けになっている。


「すごい。こんなの初めて」


「うん。僕もここまですごいのは初めて見た」