今の現象を誰かに見られたのでは思い、逆に僕がソワソワしながら周りを見てしまった。視線を僕達に向けている人はいないため、見られていない可能性が高いと判断し胸を撫で下ろす。

 もしかしたら、あの光は映像を見た僕にしか見えなかったのかもしれない。

 焦る僕とは違い、木村先輩は平然と答えた。


「私にもわからないことはたくさんあるからね。あの映像を見せてしまう条件だって正確にはわかっていないし」


 正確なことではないようだが、なぜ僕があの映像を観たかやっとわかるかもしれない。緊張を紛らわすため、コーヒーを一口飲んでから聞き返した。


「条件?」