「もしかして、見えてた?」


「は、はい」


 急に聞かれてビクッとした僕を気にも止めず、木村先輩は淡々と話を続ける。


「こんなことになるんだ。知らなかった」


「え? 知らなかったんですか?」


 新しい怪奇現象が起きたのなら、普通はもっと驚くはずだ。だが、彼女はこれにも顔色一つ変えていない。