僕は間違いなく生きている。だが、琴音は目を閉じたままだ。

 失敗した。

 理由はわからないが、寿命を送れずに戻ってきてしまったのだ。

 もうなにも考えることができない。本当の絶望とは、ただ虚無になるだけだ。あらゆる感情が削ぎ落とされた。