身体が動かなくても、脳が混乱していても、皮膚だけは正常だった。

 僕が生きている世界と、空気が全く違う。それを肌で感じ取っているのだ。

 この感覚に覚えがあった。間違いなく、ここは九月に映画館で観たあの映像が撮られた世界だ。