胸が強く締め付けられ、ズキズキと痛む。僕の全身は今まで感じたことがない感情で埋め尽くされていた。

 これが切なさというものだろうか。それならこの切なさこそが、琴音が僕と生きた証だ。

 琴音がいたから、僕は切なさで満たされている。だが、切なさと呼ぶとあまりにも悲しすぎる。