「CD借りるんだから、そのくらいのことは話すよ。無理に聞く必要はないけど」


 木村先輩は、僕の心情を察したようだ。

 僕は弱い。ずっと、気になっていたのに、話してくれる時が来たら怖くなっている。

 その時、虹のかかった青空と、左腕がない女の子が教会の扉をノックする姿も頭に浮かんできた。