泣けない僕の代わりに空が泣いてくれたのだろうか。僕も琴音もずぶ濡れだ。

 もう、受け入れるしかない。

 これで良かった。全てが不幸中の幸いだ。雨が降るのがもう少し早かったら、琴音は寒い思いをしていた。