あの虹の向こうへ君と

 なにが起きたのかわからない。わかりたくない。たくさん喋ったから、きっと疲れてしまっただけだ。

 琴音の身体を抱きしめた。

 暖かい。小さな頭を優しく撫でると、絹のような綺麗な黒髪が指をすり抜けた。