「うれしい。三年二組だよ」


 うれしそうには聞こえないが、きっと喜んでいるのだろう。せっかく貸すのだからそう思いたい。それにしても、まさかこのような約束をするとは思わなかった。


「わかりました。明日、持っていきますね。それでは、失礼します」


 いつまでも駅で引き止めていても、申し訳ない。もう帰ろうとした時だ。


「待って。アレについてまだ気になるなら、知っていること話すよ」