あの虹の向こうへ君と

 琴音の顔が僕に近づいていく。長いまつ毛のまぶたが閉じた。

 僕もまぶたを閉じる。視界から琴音が消えた。

 鼓動は今までで一番早くなっているはずなのに、なんだか心地が良い。

 なにも見えない闇の中、二つの唇は重なった。