あの虹の向こうへ君と

「このノートは向こうに持っていくよ。そこでゆっくり読む」


 琴音が見ているのは、青空ではなかった。その先にある場所だ。それに気がついてしまい、冷静ではいられなかった。


「そんなこと言うなよ。まだわからないだろ」


 僕が大きな声を出してしまったにも関わらず、琴音は落ち着いて僕の方を向く。