「やっぱりここに入るんだ。木に囲まれた場所だから、もしかしたら森の中にあると思ったの。でも、あの時は怖くて入れなかった」


「入らなくて良かったと思う。この森は道があるようでないからね。場所を知っている人とじゃないと、丘には辿り着けないよ」


 この町で生まれ育った父親が教えてくれたため、僕はあの丘の場所を知ることができた。きっと、『奇跡と眠り人』の関係者にも、この町の出身者がいたのだろう。