「ごめんね。ちょっと懐かしくなって、色々思い出していたんだ。昔、暮らした町だからさ」


「そう」


 二人は歩き始めた。

 本当はあの女の子がいたバス停から歩いた方が近い。でも、そこのバス停に行くためには、琴音が事故にあった場所を通らないといけない。気が利かない僕でも、それだけはしたくなかった。