「やり方は僕が教えるよ。管理人のおじいさんから教わったんだ」


「難しくない?」


「石像の前で両手を胸に当てて、今の自分が心から望んでいることを思い描くだけでいいんだよ」


「それだったら簡単だね」


「琴音」


「なに?」


 これから言うことは残酷なことかもしれない。琴音を傷つけてしまうだけかもしれない。それでも言葉にしたかった。