ゆっくり歩いているとはいえ目的地は遠くなく、それほど時間がかからずに着いた。二人は教会の前に佇む。

 琴音はボソリと言った。


「ここだね」


「そうだね。外観はちょっと寂れていると思うかもしれないけど、中はすごく綺麗だよ」


「私は外も好きだよ。なんか暖かい感じがするの。歓迎されているような気がして落ち着く」