会話ができたならそれをきっかけに色々なことを聞こうと思っていたが、いざその状況が訪れると妙に緊張してしまい、うまく話せなないのだ。

 高校で人と関わらなさ過ぎたからだろうか。中学生の時は、人と話すことがここまで苦手ではなかった。

 木村先輩もなにも言わず、ガヤガヤとした駅の音だけが聞こえてくる。しばらく沈黙が続くと、彼女は喧騒にかき消されそうなほどの声で言った。