「名前……」


「え? 名前?」


「うん。さっき、私の名前呼んでくれた」


 思い返すと、名前を呼び捨てで呼んでいた。恋人とはいえ琴音は歳上だ。それがまずかったのかもしれない。


「ごめんね。木村せ……」


「違うの」


 琴音は僕の言葉を遮る。色白の顔は真っ赤に火照っている。