「そんな酷いことされたの?」


「あ、まぁ……うん」


「翼にそんなことする人、嫌い。私は翼が選んでくれたものが欲しい」


 琴音が僕のために怒ってくれている。彼女に不快な思いをさせたことは申し訳ないが、僕のためにこうした感情を出してくれたことがうれしい。

 奈緒に売られてしまったプレゼントに、渡した意味が生まれたように思えた。